Google Analytics MCP サーバーを Opencode で使うための設定手順
この記事でわかること
- MCP が何かがわかる
- Google Analytics MCP サーバーの仕組みがわかる
- GCP でのプロジェクト作成・API 有効化・認証設定ができる
- Opencode から Google Analytics のデータを参照できる
まず知っておきたい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| MCP | Model Context Protocol。AI モデルと外部ツールを接続するためのプロトコル |
| GCP | Google Cloud Platform。Google のクラウドサービス |
| ADC | Application Default Credentials。GCP の認証情報管理仕組み |
| OAuth | 第三者アプリに限定的なアクセス権を与える認証の仕組み |
| gcloud CLI | GCP をコマンドラインから操作するためのツール |
MCP サーバーとは何か
MCP(Model Context Protocol)は、AI モデル(LLM)と外部のデータやツールを接続するためのプロトコルです。
[Opencode] → [MCP サーバー] → [Google Analytics API]
↑ ↑
AI が操作 データを取得・分析
これにより、「今月のアクセス数を教えて」「最も人気のあるページは?」といった自然言語でのデータ分析が可能になります。
Google Analytics MCP サーバーがやること
この MCP サーバーは、以下のツールを提供します:
| ツール | 機能 |
|---|---|
get_account_summaries |
アカウントやプロパティの一覧を取得 |
get_property_details |
プロパティの詳細情報を取得 |
run_report |
レポートを実行 |
run_realtime_report |
リアルタイムレポートを実行 |
run_funnel_report |
ファネルレポートを実行 |
全体の流れ
この設定は以下の手順で行います:
- GCP プロジェクトを作成する
- API を有効化する
- OAuth クライアント ID を作成する
- gcloud CLI をインストールする
- 認証情報(ADC)を設定する
- Opencode に MCP サーバーを設定する
ステップ 1: GCP プロジェクトを作成する
1-1. Google Cloud Console にアクセス
Google Cloud Console にログインします。
1-2. 新しいプロジェクトを作成
- 画面上部のプロジェクト選択栏をクリック
- 「新しいプロジェクト」をクリック
- 「プロジェクト名」に好きな名前を入力(例:
analytics-mcp) - 「作成」をクリック
ヒント: プロジェクト ID は後で変更できないため、分かりやすい名前をつけてください。
1-3. 作成したプロジェクトを選択
プロジェクト一覧から、作成したプロジェクトをクリックして選択状態にします。
ステップ 2: API を有効化する
MCP サーバーが使う 2 つの API を有効化します。
2-1. Google Analytics Admin API
- Google Analytics Admin API を開く
- 「有効にする」をクリック
2-2. Google Analytics Data API
- Google Analytics Data API を開く
- 「有効にする」をクリック
注意: 両方の API を有効にしないと、MCP サーバーが動きません。
ステップ 3: OAuth 同意画面を設定する
3-1. 同意画面にアクセス
- Google Cloud Console の左メニューから「API とサービス」を選択
- 「OAuth 同意画面」をクリック
3-2. ユーザータイプを選択
- 内部: Google Workspace の組織内のみで使う場合
- 外部: 個人 Gmail などを使う場合(通常はこれ)
「外部」を選択して「作成」をクリック。
3-3. アプリ情報を入力
| 項目 | 入力内容 |
|---|---|
| アプリケーション名 | 任意の名前(例: Analytics MCP) |
| ユーザーサポートメール | 自分のメールアドレス |
| 開発者連絡先情報 | 自分のメールアドレス |
「保存して次へ」をクリック。
3-4. スコープを追加
「スコープを追加」をクリックし、以下のスコープを検索して追加:
https://www.googleapis.com/auth/analytics.readonly
「保存して次へ」をクリック。
3-5. テストユーザーを追加
自分の Gmail アドレスをテストユーザーとして追加します。
「保存して次へ」→「ダッシュボードに戻る」をクリック。
ステップ 4: OAuth クライアント ID を作成する
4-1. 認証情報を作成
- 「API とサービス」→「認証情報」を選択
- 「+ 認証情報を作成」→「OAuth クライアント ID」を選択
4-2. アプリケーションの種類を選択
「デスクトップ アプリ」を選択します。
4-3. 名前を入力
任意の名前(例: analytics-mcp-client)を入力。
4-4. 作成をクリック
「作成」をクリックすると、クライアント ID とクライアント シークレットが表示されます。
「JSON をダウンロード」をクリックし、ファイルを保存します。
重要: この JSON ファイルは認証情報です。shared フォルダや Git にアップロードしないでください。
ステップ 5: gcloud CLI をインストールする
gcloud CLI は Google Cloud をコマンドラインから操作するツールです。
5-1. インストール(Ubuntu)
# キーの追加
curl https://packages.cloud.google.com/apt/doc/apt-key.gpg | sudo gpg --dearmor -o /usr/share/keyrings/cloud.google.gpg
# リポジトリの追加
echo "deb [signed-by=/usr/share/keyrings/cloud.google.gpg] https://packages.cloud.google.com/apt cloud-sdk main" | sudo tee -a /etc/apt/sources.list.d/google-cloud-sdk.list
# インストール
sudo apt-get update && sudo apt-get install google-cloud-cli
5-2. インストール(macOS)
# ダウンロード
curl -O https://dl.google.com/dl/cloudsdk/channels/rapid/downloads/google-cloud-cli-darwin-arm.tar.gz
# 解凍
tar -xf google-cloud-cli-darwin-arm.tar.gz
# インストール
./google-cloud-sdk/install.sh
5-3. インストール(Windows)
PowerShell で以下を実行:
(New-Object Net.WebClient).DownloadFile("https://dl.google.com/dl/cloudsdk/channels/rapid/GoogleCloudSDKInstaller.exe", "$env:Temp\GoogleCloudSDKInstaller.exe")
& $env:Temp\GoogleCloudSDKInstaller.exe
インストーラーの指示に従ってインストールを完了します。
5-4. 初期化
gcloud init
ブラウザが開くので、Google アカウントでログインし、アクセスを許可します。
ステップ 6: 認証情報(ADC)を設定する
ADC(Application Default Credentials)は、アプリケーションが GCP にアクセスするための認証情報です。
6-1. ステップ 4 でダウンロードした JSON ファイルのパスを確認
ls ~/Downloads/*.json
6-2. ADC を設定する
gcloud auth application-default login \
--scopes https://www.googleapis.com/auth/analytics.readonly,https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform \
--client-id-file=~/Downloads/client_secret_XXXXX.json
注意:
~/Downloads/client_secret_XXXXX.jsonを実際のファイルパスに置き換えてください。
ブラウザが開くので、ログインしてアクセスを許可します。
完了すると、以下のようなメッセージが表示されます:
Credentials saved to file: [/home/username/.config/gcloud/application_default_credentials.json]
このパスをメモしてください。 次のステップで必要です。
ステップ 7: Opencode に MCP サーバーを設定する
7-1. 設定ファイルを編集
~/.opencode/config.json を開きます(なければ作成)。
mkdir -p ~/.opencode
nano ~/.opencode/config.json
7-2. MCP サーバーの設定を追加
以下の内容を貼り付けます:
{
"mcpServers": {
"analytics-mcp": {
"command": "pipx",
"args": ["run", "analytics-mcp"],
"env": {
"GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS": "/home/username/.config/gcloud/application_default_credentials.json",
"GOOGLE_PROJECT_ID": "your-project-id"
}
}
}
}
変更する箇所:
| 項目 | 入力内容 |
|---|---|
GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS |
ステップ 6 で取得したパス |
GOOGLE_PROJECT_ID |
ステップ 1 で作成したプロジェクト ID |
7-3. pipx をインストール(まだの場合)
pip install pipx
pipx ensurepath
ターミナルを再起動して PATH を反映させます。
ステップ 8: 動作確認
8-1. MCP サーバーが認識されるか確認
Opencode を起動し、以下のコマンドを実行:
/mcp
analytics-mcp が一覧に表示されれば成功です。
8-2. テストメッセージを送信
以下のようなプロンプトを入力してみます:
自分の Google Analytics アカウントの一覧を教えて
直近30日間のアクセス数をレポートして
最も人気のあるページはどれですか?
正常であれば、Google Analytics のデータが返ってきます。
トラブルシューティング
「Credentials not found」エラー
ADC のパスが間違っている可能性があります。
# ADC ファイルの存在を確認
ls -la ~/.config/gcloud/application_default_credentials.json
# 環境変数を直接設定してテスト
export GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS=~/.config/gcloud/application_default_credentials.json
「API not enabled」エラー
GCP コンソールで API が有効化されていません。
- API ライブラリ にアクセス
Google Analytics Admin APIとGoogle Analytics Data APIを検索- 両方とも「有効にする」をクリック
「Permission denied」エラー
Google Analytics へのアクセス権がありません。
- Google Analytics の管理画面を開く
- 「管理」→「プロパティのアクセス管理」で自分のメールアドレスに「閲覧者」以上の権限を付与
「SASL authentication failed」エラー(pipx 関連)
# pipx を再インストール
pip install --force-reinstall pipx
pipx ensurepath
ポート 25 がブロックされている(リレー設定が必要な場合)
MCP サーバー自体はポート 25 を使いませんが、GCP の認証にネットワーク接続が必要です。プロキシ環境の場合:
export HTTPS_PROXY=http://proxy.example.com:8080
設定を確認するコマンド一覧
| コマンド | 目的 |
|---|---|
gcloud config list |
現在の GCP 設定を確認 |
gcloud auth list |
認証済みアカウントを確認 |
gcloud auth application-default print-access-token |
ADC のトークンを確認 |
gcloud services list --enabled |
有効化済み API を一覧表示 |
gcloud services enable analyticsadmin.googleapis.com |
Admin API を有効化 |
gcloud services enable analyticsdata.googleapis.com |
Data API を有効化 |
まとめ
- MCP は「AI と外部ツールを接続するプロトコル」
- Google Analytics MCP を使えば、AI に自然言語でデータ分析を依頼できる
- GCP での設定は「プロジェクト作成 → API 有効化 → OAuth 設定 → ADC 設定」の 4 ステップ
- 認証情報は安全に管理し、Git にコミットしないこと
おすすめ書籍
以下の書籍で、GCP や AI の基礎から実践的な活用まで学べます。